初版 ぼく語辞典

福岡

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9月7日午後4時に東京を出る。

 

ぼくはどこまでも計画をたてる能力に欠ける人間であるらしい。肝心なことを忘れていて、九州移動をするためには九州にまずは上陸しなければいけないのだ。果たしていかにして、九州まで行けばよいのだろう?

飛行機をとろうにも出発の直前過ぎて価格はやはり高騰。大体ここで早速空の旅なんかしてしまったら、自分で言ったことと行動との矛盾も甚だしい。

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仕方がないので、東京からは陸路で九州に向かうことにした。

東京からヒッチハイクで長崎に帰ったことのある友人に聞いてみたら、約24時間ほどで帰宅できたと言っていたので、まあ何とかなるだろう。絶対。たぶん。

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九州の入り口である福岡県。その都市部の中心である博多駅に最終的に到着したのは、9月12日0時31分だった。出発からおよそ4日半が経過していた。

 

今回の移動の最初の目的地は長崎市。
九州にはなんの所縁もないので、ひとまず前述の長崎市内に住む友人の家を目指す。

本来9月10日にはそこについていたかった。が、『予定』という言葉は『破綻』の従兄弟くらいには近い親戚なので、当然計画通りに辿り着けるべくもない。

東京を出た後は、途中浜松と鳥取県湯梨浜町にそれぞれ寄り、湯梨浜で大幅に足止めを食らうことになる。


本来は1夜を越してすぐに出発する予定が、宿の居心地が良かったため、不可抗力により1泊2日が2泊3日になる。3日目の朝には大雨が降り、ヒッチハイクはできないしJRも動かないので、町に軟禁状態となる。最終的に3泊4日の滞在。自然の力には逆らえない。まあ、宿で出会った友人とは今でも時々会うので、結果オーライではある。人間万事塞翁が馬、が座右の銘だ。

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巨大な池に接する公園の一部は、すっかり浸水してしまった。

 

9月11日、ようやく湯梨浜町から脱出。
今日中に長崎市に辿り着いてしまいたい。

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色んなまちと、色んな道を歩く。

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宿の近くでしばらく立っていると乗せて車が現れた。湯梨浜町を去るということで、ここで仲良くなった友人ともお別れ。最後に「さようなら」を綺麗に言える関係が築ければ、人間関係はひとまずは良しと考える。

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鳥取、島根、広島県を通過。

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島根県の途中から広島県宮島SAまでは、キャンピングカーに乗せていただき移動。車内で流れていたEric Clapton, Ariana Grande, Ed Sheeranが印象深い。今でも時々当時を思い出して聴いている。

ぼくの移動は序盤であるが、キャンピング・カーを運転していた方は約2か月におよぶ北海道一周の帰り道で、この日が旅の最終日だった。

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宮島では次へ進むために3時間ほど待たねばならず心が折れかけたが、なんとか福岡市まで直行する方に午後8時ごろに拾っていただく。車内では先ほどとはがらりと変わって、HKTのアルバムがずっと流れていた。この関門海峡を抜ければ、いよいよ九州に上陸だ。


そして博多駅に到着したのは12日の0時30分。宮島で3時間立ち続けたことによる疲労が大きく、ここからさらに長崎市に向かう気力は起きなかった。

長崎には明朝向かおう。今夜は駅の近くの漫画喫茶で適当に時間を潰すことにする。

 

とにもかくにも、九州上陸。

出発からの100時間弱の間に、何人もの人らの世話をお借りしながら、ようやくスタートラインにやって来た。0地点に至るのも、全くもって楽じゃない。

ぼくがヒッチハイクをすることによって、世の中が良くなるわけがない。それでも、少なくとも自分自身にとって豊かな思い出を少しくらいは作れたろうか。そして誰かのささやかな思い出になれただろうか。

そんなことは曖昧なことは分からないし、考える頭も今日はもう働かない。

 

ひとまず寝よう。まだまだ先は長い。無意味さに短長の程度があるかは知らないが、進むべき距離は依然長い。

まいっちゃうよ。おやすみ。

〈続く↓〉

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