バルセロナにある「ピカソ美術館」に行ってきました。
少年・青年期→青の時代→薔薇の時代→キュビズム→晩年と、ピカソの人生における画風の変化を追うことができます。
スペインの芸術といえば、ピカソ抜きには語れません。
その彼の作品を3000点以上収蔵する美術館の見所と感想についてお伝えします!
館内は写真撮影禁止ということもあり、文章中心の紹介となります。
みどころ
①少年・青年期の若い頃の絵画が充実
15歳の頃に描き、バルセロナの展覧会に出展された『初聖体拝領』。
16歳の頃の作品で、マドリッドとマラガで賞を獲得した『科学と慈悲』。
ぼくらの知るピカソ(『泣く女』や『ゲルニカ』などのキュビズム作品。誤解を恐れずに言えば、「なんでこれに価値があるの?」とつい思ってしまいかねないもの)とは全く異なる、「普通にうまい」アカデミックな絵が多数飾られています。
少年の時点でこれだけの画力をもっているとは、末恐ろしい。
解説や絵画については、外部サイトからより詳しいものをご覧ください。
②『マルゴット』
20歳ごろに描かれた出世作『マルゴット』。
国際的に知られるきっかけとなった、ピカソ史の中で重要な作品です。この頃から、アカデミックな絵画から脱し、徐々にピカソとしての個性が出始めています。
③『ラス・メニーナス』
ダヴィンチの『モナ・リザ』、レンブラントの『夜警』と並び、西洋絵画史における重要な作品とされるベラスケスの『ラス・メニーナス』。
その名画が、ピカソの手によって再構成され制作されています。その総数なんと58点。『ラス・メニーナス』全体や、ここの登場人物のみに焦点を当てた連作で、その全てがこのピカソ美術館に収められています。ぜひ、マドリードのプラド美術館も訪れてみて、2人の画家の強烈な個性を比べてみてはいかがでしょうか。
感想
誰もが知るような有名な作品は決して多いとは言えません。
実は訪問前のぼくはと言えば、ピカソに関しても美術館に関してもほとんど前情報をもたない状態。恥ずかしながら。ピカソの各時代の画風の名称や、『泣く女』、『ゲルニカ』くらいしか知らず、その中身についてはほとんど無知でした。
先述のように超有名作があるわけではないので、より一層美術館を楽しむために、ある程度ピカソの生涯や作風の変化についての予習をしていくことをおすすめします。
ルーヴル美術館などのように、圧倒的規模や有名作品揃いで、あまり美術に詳しくなくとも楽しめる場所とは少し異なるように感じられます。
日本語の音声ガイドも用意されているので、そちらを借りてみるのも良いでしょう(有料)。
キュビズムに関する知識を前もって持っていくことをおすすめします!
美術館全体でピカソの絵画の変化を追えるのですが、音声ガイドでもキュビズムに関する部分はあまり大きく触れられていませんでした。
が、「キュビズム」というのはルネサンス以来の遠近法的世界観を打ち壊し、その後の美術史にも多大な影響を与えた重大な概念。ピカソはその指導者の1人です。
特に薔薇の時代以降の作風の変化に関してはその関連知識をもっておくことで、鑑賞の質が高まると思います。
多数の作品が収録されているとはいえ、時代ごと部屋が分かれており、比較的コンパクトな作りで美術館自体は周りやすいです。軽く作品を見るだけであれば、1時間もあればまわれます。
立地もバルセロナの中心地ということもあり、観光にも最適と思います。
スペイン芸術の興味のある方は、訪れる価値のあるところです。ぜひ、観光プランの候補に入れてみてください!
では!