初版 ぼく語辞典

【観光】街が美術館!? 華麗なるリガのアール・ヌーヴォー建築群

Labdien~

皆さん、リガの観光地と言われて思いつくものは何でしょう?

やはり中世の面影が濃い旧市街でしょうか。

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【私的ラトビア100景】①アール・ヌーヴォー建築

ところで「旧」があるということは、「新」しいリガもありまして。

中世に負けず劣らず、ミレニアム時代が放つ芸術もまた個性的なんです!

今回は華麗なるアール・ヌーヴォーの世界へご招待いたします――。

 

 

 

アール・ヌーヴォーって??

アール・ヌーヴォー(フランス語Art Nouveau)は、19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパを中心に開花した国際的な美術運動。「新しい芸術」を意味する。花や植物などの有機的なモチーフや自由曲線の組み合わせによる従来の様式に囚われない装飾性や、鉄やガラスといった当時の新素材の利用などが特徴。分野としては建築工芸品グラフィックデザインなど多岐にわたった。(アール・ヌーヴォー - Wikipedia

 

フランス語をカタカナにしたもので、もとは「Art Nouveau(新しい芸術)」。
ボジョレ・ヌーヴォーの「ヌーヴォー」ですね。

アール・ヌーヴォーは国によって呼び名が異なる場合があり、ラトビアではドイツ語の「ユーゲントシュティール」という言い方が一般的です。

ここからは、郷にならって「ユーゲントシュティール」でお話を進めていきましょう!

 

ベルギーのブリュッセルやフランスのパリなどで特に栄えた芸術運動ですが、実はリガでもその華は大きく開きました。 19世紀末、リガの街が旧市街を越えて拡大し始めた時期と、ユーゲントシュティールが盛んな時期がちょうど重なったんですね。

リガ市内には800以上のユーゲントシュティール式の建築が存在し、その数はなんと中心市街地の1/3を占めるほどと言われています。

 

今回建築のみに絞っていえば、その主たる特徴は、

  • 精巧で、かつ派手やかであること
  • 裸体の女性、男性
  • 華がモデルとなっている装飾
  • 落ち込んだ、憂鬱そうなガーゴイル

とのこと。*1

 

リガ市内のユーゲントシュティールの作品は街中のいたるところにあり、実は旧市街でも多く見られます。

が、一か所に非常に密度濃く建ち並んでいるのは、その少し北東・アルベルタ通りエリザベテス通り!その様子は、まるで通り全体が美術館のようです。

 

アルベルタ通りに行ってみよう!

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やってまいりました〜、ユーゲントシュティール建築の宝庫・アルベルタ通り(Albert iela)! 

一見控えめな色の建物が並んでいるようにも見えますが、少し目線をあげてみると、そのにぎやかさに気が付きます。

 

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見渡す限り、様々な表情の人物が流々として飾られている!

少し拡大してみると↓

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うっとりするほど滑らかに創られた女性の像。

実用的な直線に対して、装飾的な曲線は夢を見ているような不思議な感覚へと誘ってくるかのようです。

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そこかよ!!

 

と突っ込みたくなる装飾No.1。

この辺りの地区に迷い込んだら、ユーゲントシュティールからはもう逃げられないい!ヨコハマタイヤの顔を、なぜか不意に思い出しました。

 

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憂鬱そうなガーゴイルってどんなもんだよと気になってましたが、なるほどこれですね。

彼らは割とシャキッとしているように見えるますけどね。実は門衛の仕事に疲れてるのかな?哀愁を漂わせてる…のかも?

 

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豪華だけれど、ひたすらにゴージャスさをアピールするのではなく、左右対称で規則正しい。上品さがあふれ出る作品群です。

 

エリザベテス通りに行ってみよう!

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アルベルタ通りから、エリザベテス通りに向かう間の道にはガーゴイルが鎮座していました。落ち込んでいるのかな?どちらかというと、ぴったりと壁にハマって、居心地が良さそう。

 

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ここからエリザベテス通り(elizabetes iela)

筋骨隆々の男たちが大勢現れました!

歩行者をガン見してきます。ポケモンバトルよろしく、目線があったらもう逃れられません。じっくり観察してみましょう。

 

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このページの一番最初の写真にも使用した「エリザベテス通り10b」。

色合いといい、上部の装飾の独特さといい、一際目立つ建築です。

もともとはドイツのライプツィヒにあった建築から着想を得て創られたそう。

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「エリザベテス通り10b」の入り口はこうなっています。

上の顔にばかり気を取られてしまいますが、下のほうもなかなか奇妙。

この辺りの通りの建物は、どこに目を当てても何かがあるので、しっかり見ようとすると通りを1つ歩くのにかな〜り時間がかかります。

 

アール・ヌーヴォー美術館に行こう!

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ここまでリガのユーゲントシュティール建築群をご紹介してきましたが、その様式は何も建築だけに限られたものではありません。

その様式は、家の外だけではなく家の中にも深く影響しています。

アルベルタ通りにあるこちらの建物は、もともと家として使用されていたもの。
現在はアール・ヌーヴォー美術館として使用されており、ユーゲントシュティール様式の部屋の装飾、家具、台所などなど、豪華絢爛な生活感が味わえます。

 

場所はこちら

今回ご紹介したエリアは、市内のこの辺り。

旧市街からだと、歩いて15~20分ほどです。

 

 

おわりに

いかがでしたか?

今回ご紹介したのは、リガ市内にある建築のほんの一部。

犬も歩けば棒に当たるように、リガ中心部に1歩足を運んでみると必ずユーゲントシュティール建築を見つけられます。最近は素敵な装飾を見つけるために街をきょろきょろと探索しています。

リガにお越しの際は、自分のお気に入りの作品をぜひ見つけてみましょう!

 

ではまた!Ata~